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2018年05月03日

2017年度通期の建機出荷額は、輸出が全地域増加で17.6%増も、国内向けは0.3%減

日本建設機械工業会が2018年4月27日に、2017年度の建設機械出荷金額統計を発表していました[1]。

今回は

  • 総合計
  • 出荷額の上位4機種(トラクタ、油圧ショベル、ミニショベル、建設用クレーン
  • 補給部品
の各数字について、2008年度〜2018年度の、年度ごとの表を作り、その推移を見てみました。

※2016年以前の数字は、当ブログの過去記事から引き継ぎました。
 2017年度は、日本建設機械工業会の発表[1]から抜き出しました。
※金額の単位は「」で、1億円未満を四捨五入しています。
※カッコ内は前年同月比の増減。


総合計

小計内訳
国内輸出
2008年度2兆1971億(17.9%)6897億(22.5%)1兆5074億(15.6%)
2009年度1兆2622億(42.6%)4576億(33.7%)8046億(46.6%)
2010年度1兆9630億(55.5%)5110億(11.7%)1兆4520億(80.5%)
2011年度2兆3504億(19.7%)6631億(29.8%)1兆6873億(16.2%)
2012年度2兆1495億(8.5%)7802億(17.7%)1兆3693億(18.8%)
2013年度2兆3352億(8.6%)1兆94億(29.4%)1兆3259億(3.2%)
2014年度2兆4396億(4.5%)9939億(1.5%)1兆4457億(9.0%)
2015年度2兆2568億(7.5%)9993億(0.5%)1兆2575億(13.0%)
2016年度2兆2066億(2.2%)9865億(1.3%)1兆2200億(3.0%)
2017年度2兆5952億(17.6%)9835億(0.3%)1兆6117億(32.1%)

国内向けの金額は、2018年度も前年度とほぼ同じ水準であり、2013年度以降の1兆円近くでの横ばい推移は、良くも悪くも変っていません。

これから東京五輪・パラリンピック(2020年開催)が近づくにつれて、この状況にどのような変化が生じるかどうかは、気になるところです。


輸出のほうは、中国の大規模な景気対策の影響がまだ残っていた2011年度に次ぐ高い水準となっています。

ただし現在は、中国政府は当時ほどのインフラ投資は行っていない筈であり、当時とは需要の構造が全く異なっていると推測されます。

例えば、最大の主要機種である油圧ショベルの世界需要[2](日立建機による推定値)は、2017年度は中国が2011年度を2割以上も下回る一方、日本は微増、西欧・北米では約1.5倍になっています。

ただアジア大洋州が横ばい、「その他」(ロシア、南米、中東、アフリカ等)が約4割縮小しており、2017年度の世界全体の台数は、2011年度から微減となっていますが・・・

ともかく、一国の伸びだけに極端に依存する状況にはなっておらず、その点では中国政府の政策変更による需要急変のリスクは、緩和されているものと思われます。


輸出の増加地域

※「前年度比増」の明確な記述がある地域のみ、「○」をつけています。

アジア中国オセアニア 欧州北米中南米 CIS
その他
東欧
中近東アフリカ
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
2017年度
アジア中国オセアニア 欧州北米中南米 CIS
その他
東欧
中近東アフリカ

2017年度は全9地域が前年度比プラスとなっており、これは実に2010年度以来のことです。

ただ2010年度は、(前項の通り)国内向け金額もプラスでしたが、今回の2017年度は国内向けが横ばい(微減)に留まっており、海外需要の好調さが、全体の出荷額の伸びを支える状況となっているのが、異なるところです。


トラクタ

小計内訳
国内輸出
2008年度3253億(17.8%)681億(21.5%)2572億(16.8%)
2009年度1385億(57.4%)496億(27.1%)889億(65.5%)
2010年度2412億(74.2%)554億(11.5%)1859億(109.2%)
2011年度3056億(26.7%)672億(21.3%)2384億(28.3%)
2012年度2946億(3.6%)922億円(37.2%)2024億(15.1%)
2013年度3038億(3.1%)1146億(24.3%)1892億(6.5%)
2014年度3246億(6.9%)1125億(1.8%)2121億(12.1%)
2015年度2672億(17.7%)1207億(7.3%)1465億(30.9%)
2016年度2402億(10.1%)1137億(5.9%)1265億(13.6%)
2017年度2886億(20.2%)1098億(3.4%)1788億(41.4%)

トラクタは、国内向けが2年度連続の減少となった一方で、輸出は2017年度が4割超の大幅増。

鉱山会社の設備投資が回復に転じたことが、輸出の劇的な伸びの、最大の要因と推測します。


油圧ショベル

小計内訳
国内輸出
2008年度7932億(21.9%)1976億(33.1%)5956億(17.3%)
2009年度4258億(46.3%)996億(49.6%)3262億(45.2%)
2010年度7935億(86.4%)1380億(38.6%)6555億(101.1%)
2011年度9578億(20.7%)1970億(42.8%)7607億(16.1%)
2012年度8151億(14.9%)2555億(29.7%)5596億(26.4%)
2013年度8782億(7.7%)3582億(40.2%)5200億(7.1%)
2014年度8456億(3.7%)2874億(19.7%)5581億(7.3%)
2015年度7222億(14.6%)2537億(11.8%)4685億(16.1%)
2016年度7513億(4.0%)2529億(0.3%)4984億(6.4%)
2017年度9287億(23.6%)2697億(6.6%)6591億(32.2%)

国内では2017年9月に新排ガス規制が始まり、その後は駆け込み需要の反動減が続いています

そのため、2017年度の前年度比プラスは意外でしたが、4〜8月の駆け込み需要による出荷増が、9月以降の減少分をカバーして更に上回る規模だった、ということだと思われます。


輸出のほうは、2017年度は前年度からの伸び幅も大きいですが、金額自体もこの10年間で2番目の規模に達しています。

(トラクタと同じく)鉱山での設備投資の回復、また先にも書きましたが、(一部地域のみではない)より広い地域で需要が伸びた結果だと思われます。


ミニショベル

小計内訳
国内輸出
2008年度1453億(45.5%)490億(38.6%)963億(48.5%)
2009年度833億(42.7%)309億(37.0%)524億(45.5%)
2010年度1418億(70.2%)424億(37.3%)994億(89.6%)
2011年度1818億(28.2%)576億(35.7%)1243億(25.0%)
2012年度1905億(4.8%)711億(23.6%)1194億(3.9%)
2013年度2230億(17.0%)854億(20.0%)1376億(15.3%)
2014年度2665億(19.5%)1020億(19.5%)1645億(19.5%)
2015年度2740億(2.8%)1068億(4.7%)1671億(1.6%)
2016年度2556億(6.7%)773億(27.7%)1783億(6.7%)
2017年度2964億(16.0%)844億(9.2%)2121億(18.9%)

ミニショベルの国内向けは、前年度(2016年度)は排ガス規制導入の影響でマイナスでしたが、今回の2017年度はもうプラスに転じており、需要の根強さが伺えます。

輸出も同様に伸びが続いており、気付けば2017年度は、10年間で最大の出荷額となっています。

そして小計は、トラクタを若干上回る規模に達しており、もはやミニショベルは主要機種の一つとして、確固としたポジションを築いている印象です。


建設用クレーン

小計内訳
国内輸出
2008年度2892億(0.4%)1511億(11.2%)1382億(17.2%)
2009年度1483億(48.7%)837億(44.6%)646億(53.2%)
2010年度1465億(1.2%)831億(0.8%)634億(1.8%)
2011年度1816億(24.0%)1065億(28.3%)751億(18.3%)
2012年度2025億(11.5%)1233億(15.7%)793億(5.6%)
2013年度2747億(35.6%)1645億(33.5%)1102億(39.0%)
2014年度3179億(15.7%)1882億(14.4%)1297億(17.7%)
2015年度3218億(1.2%)2050億(8.8%)1171億(9.8%)
2016年度2840億(11.7%)2139億(4.5%)700億(40.2%)
2017年度2667億(6.1%)1981億(7.4%)687億(1.9%)

2017年度は、6年続いた国内向けの伸びが減少に転換し、輸出に至っては3年連続のマイナス。

ちょうど、油圧ショベルの伸びと入れ替わっているようにも感じられます。

もともとクレーン需要は、油圧ショベルの需要増加の半年〜1年後に上向くとのことでしたが、そこまで綺麗では無いものの、需要の時期のズレは確かに存在しているように思われます。

ただ日本国内については、油圧ショベル出荷額が新排ガス規制の影響により、現在は大幅マイナスの月が続いているので、2018年度は油圧ショベル・クレーンの両方ともマイナスになる可能性もありそうです。


補給部品

小計内訳
国内輸出
2008年度2214億(5.0%)897億(11.4%)1317億(0.1%)
2009年度1933億(12.7%)897億(横ばい)1036億(21.3%)
2010年度2497億(29.2%)901億(0.5%)1596億(54.0%)
2011年度2802億(12.2%)988億(9.7%)1814億(13.7%)
2012年度2618億(6.6%)1017億(2.9%)1601億(11.8%)
2013年度2641億(0.9%)1142億(12.3%)1499億(6.3%)
2014年度2907億(10.1%)1189億(4.2%)1717億(14.5%)
2015年度2769億(4.7%)1193億(0.3%)1576億(8.2%)
2016年度2635億(4.8%)1200億(0.7%)1434億(9.0%)
2017年度3272億(24.2%)1189億(1.0%)2083億(45.2%)

2017年度の補給部品は、輸出の伸びの大きさが際立っており、これは資源価格の回復を受けて、鉱山機械の稼動が活発化していることが、要因の一つになっているものと推測します。

その一方で、国内向けは2年連続の微増から、2017年度にはとうとう微減に転落。

東京五輪・パラが近づいている時期でのこの状況は、東京都心部以外での工事がいかに低い水準に留まっているか、ということの表れなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]2018年3月度(2017年度)建設機械出荷金額統計まとまる(日本建設機械工業会、2018/4/27)
http://www.cema.or.jp/general/news/20180427.html
[2]2018年3月期(平成30年) 地域別市場環境と見通しについて(日立建機、2018/4/26)
https://www.hitachicm.com/global/wp-content/uploads/2018/04/20180426-Financial-JP.pdf
※https://www.hitachicm.com/global/jp/ir/library/results/内。

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posted by 管理人 at 06:00 | 建機出荷額統計