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2019年01月14日

2018/10-12の「中国月次 油圧ショベル需要データ」(日立建機推計)は11・12月が前年同月比約20%マイナス、KOMTRAXでの稼働時間もマイナス10%台に

今回は

  • 日立建機の「中国月次 油圧ショベル需要データ(速報)」(2018/12分まで)[1]。
  • コマツの「KOMTRAX月次データ」(2018/11分まで)[2]の、中国の数値
から、2018/10-12の数値を見てみました。


<中国での油圧ショベル需要の前年同月比>
20142015201620172018
1月37%34%48%181%
2月80%46%286%22%
3月51%10%70%66%
4月47%34%142%72%
5月48%5%116%55%
6月31%54%15%139%32%
7月31%52%26%115%20%
8月30%51%62%101%9%
9月38%49%86%93%6%
10月43%43%76%78%19%
11月46%36%86%121%21%
12月44%37%85%97%18%

※数値は

  • 日立建機による、中国での油圧ショベル需要の推定値。
  • 台数ベースでの前年同月比。
  • 中国国産メーカーを除く(=外資系メーカーのみ)。

※[1]に掲載されてない数値(2017/12以前)については、前回の記事(2018/9分まで)から引き継いでいます。



今回(2018/10-12)は、10月の伸び幅が前月・前々月(8・9月)の一ケタ%台から跳ね上がったものの、直後の11・12月は20%前後のマイナスに急転換。

2018年10月は、ちょうど株価の急落が起こった月でしたが、それが中国国内のインフラ投資にも大きく影響した、ということかと思われます。

中国油圧ショベル需要の伸びは、約2年に渡り安定的に続いてきましたが、今回の変化においては、後述する幾つかの(小さくない)要因があるだけに、とうとう継続的な減速に転換してしまうのかどうかが、非常に気になるところです。


<KOMTRAXでの稼働時間の前年同月比>

201620172018
1月14.4%24.8%46.2%
2月3.2%83.3%48.9%
3月29.4%5.6%12.5%
4月1.4%13.8%2.8%
5月6.1%7.3%2.5%
6月10.4%3.3%2.2%
7月5.8%5.6%6.4%
8月10.5%2.5%0.3%
9月12.2%2.4%4.5%
10月2.2%0.3%8.9%
11月17.1%8.4%13.6%
12月8.8%2.5%14.1%

※数値は、

  • 中国におけるコマツ製建機(※ミニ建機、鉱山機械は除く)の、1台あたり月間平均稼働時間
の前年同月比。
※発表[2]に掲載されてない数値(2017/9以前)については、当ブログの前回記事から引き継いでいます。



KOMTRAXの稼働時間も、2018年10月に久々に高い伸び(約9%プラス)となったが、11・12月は10%台のマイナスに急転換と、ちょうど油圧ショベル需要と似た動き。

つまり

  • 建設機械の新車需要
  • 既存の機械の稼働時間(=工事の実行状況)
の両方が、同時に急減速したことになり、これはやはり政策ではなく、経済全体の減速に因るものだと思われます。


ちなみにKOMTRAXの他地域(日本、北米、欧州)も、10月プラスの11・12月マイナスと、中国と同じような推移。

建機の稼働時間の減少は(中国だけでなく)世界的に同様な状況であることが伺えますが、こうなると中国以外で新車需要のほうがどうなっているのか、というのも気になるところです。


とりあえず、経済減速の原因として思いあたるのは

  • 所謂「アップルショック」[3]
  • 米中間の「貿易紛争」(高率な関税のかけ合い)
  • 中国ファーウェイ社幹部の逮捕(それに対抗する中国国内での米国製品の不買運動)
ですが、これらは(別個の事柄ではなく)相互に強く関係しているように思われます。

現時点では、これらの改善・解決の兆しは見えませんが、巡り巡って建機市場にも大きな影響を及ぼしているのは、困りものです。


※参照・参考資料:
[1]中国月次 油圧ショベル需要データ(速報)(日立建機、2019/1/9更新)
https://www.hitachicm.com/global/jp/ir/financial/cn_monthlydata/
[2]KOMTRAX月次データ(〜2018年12月)(コマツ社)
https://home.komatsu/jp/ir/demand-orders/__icsFiles/afieldfile/2019/01/11/201812komtrax_J.pdf
(※「https://home.komatsu/jp/ir/demand-orders/」内)
[3]【日経新聞1面】アップルショックの影響懸念大きく株価急落(FISCO、2019/1/10)
http://web.fisco.jp/FiscoPFApl/ThemeDetailWeb?thmId=0010320020190110002&token=

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | 海外の需要動向

2018年12月03日

コマツ社と日本キャタピラー社が、未認証工場における大型特殊自動車の分解整備作業の実施状況を発表、事故・不具合の発生は無し

コマツ社と日本キャタピラー社が2018年11月22日に、

  • 大型特殊自動車について、未認証工場分解整備作業が行われていたことが判明した。
と発表していました[1][2]。

その中から、主な数字・状況をまとめてみました。


コマツ日本キャタピラー
調査の対象期間 2018年9月26日まで 2016年11月〜2018年10月
該当した拠点数16
該当した車両の台数11722
事故の有無 現時点で、本事案に起因する不具合・事故等は発生していない 2018年11月21日現在で、該当作業に起因する不具合は発生していない
発生の原因 販売会社(販売代理店など)では、作業者への分解整備作業の教育を実施している。
しかし一部の販売会社で、教育の継続実施教育効果の確認が徹底されておらず、作業者の認識不足が生じた。
特約販売店において、当該法令の認識・遵守の徹底が図れていなかった。
ユーザーへの対応 該当車両の全てにおいて、認証を受けた事業場での安全確認作業を完了している。 該当車両の使用者に速やかに連絡し、 認証を受けている整備工場で、安全確認の点検・整備を実施する。
今後の対応・対策
  • 未認証の事業場が認証を取得するよう、販売会社に指示・監督を行う。
  • 当該作業従事者への、分解整備作業に対する教育とその効果の確認まで行うよう、指示・監督していく。
  • 該当の作業について顧客から依頼を受けた場合は、 認証済みの整備工場のみで対応することを徹底する。
  • 全社員に教育を実施し、再発防止に努める。

ちなみにクボタ社も同様の発表[3]を行っていますが、こちらには建設機械は含まれておらず、農業機械(ナンバープレート付きトラクター)のみとなっています。



未認証工場における分解整備作業の実施状況については、今年6月に3社(日立建機、コベルコ建機、住友建機)が発表

そして今回の2社ということで、国内建機メーカーの状況はほぼ出揃ったものと思われます。


今回該当した車両については、(先の3社と同様に)不具合・事故は発生していないとのこと。

工場が未認証だったことはまずいものの、作業の質が保たれていた点には安堵します。


昨今人手不足が問題となっている中で、大型特殊自動車の分解整備作業が、どの程度繁忙なのかは判りません。

ただ、もし未認証工場が受けざるを得ないほど需要があり、またそれらの工場が十分な能力を備えているのであれば、是非認証を受けて、正当な環境を充実させてほしいものです。


※参照・参考資料:
[1]コマツにおける大型特殊自動車の不適切な分解整備作業について(コマツ社、2018/11/22)
https://home.komatsu/jp/press/2018/management/1201052_1594.html
[2]認証を受けていない整備工場における大型特殊自動車の分解整備について(日本キャタピラー社、2018/11/22)
https://www.nipponcat.co.jp/news/2018/1122news.html
[3]国内農業機械販売会社における不適切な分解整備作業の実施について(クボタ、2018/11/22)
https://www.yanmar.com/jp/agri/important/2018/11/22/48284.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | 建機に関わる災害

2018年12月01日

クボタ社が中国市場向けの大型ディーゼルエンジン2種(129.4kW、114.0kW)を開発、SCR無しで新規制(2020年〜)に適合

クボタ社が2018年11月21日に、

  • 中国市場向けの、建機・産業機械用大型ディーゼルエンジンを開発した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


適合する排ガス規制 中国のノンロード4次規制(2020に施行予定)
特徴
  • 200馬力帯の機種:
    2017年3月発表の欧州向け機種[2]に続くラインナップ。
  • 高出力・低ランニングコスト
    • 単位排気量あたりの出力
    • 同じ出力クラスでの低燃費性能
    に優れる。
    また燃焼の最適化などにより、SCR(NOxの後処理装置)無しでの、規制適合を実現した。
    (=尿素水が不要)
  • コンパクト
    SCRや尿素タンクが無いため、エンジンや周辺部品の搭載容積が抑えられる。
    これにより、建機・産機側での柔軟な設計が可能になる。
  • メンテナンス性を向上
    一方向から、全ての部品をメンテナンスできるレイアウトとしている。
種類
モデル名V5009V4309
排気量5.0L4.3L
出力129.4kW114.0kW
後処理装置DPFDPF
量産開始時期 2020の予定。


例えばコマツの油圧ショベル[3]では、20t級の定格出力が110〜132kWなので、今回のクボタ社の新エンジンも、油圧ショベルではそのあたりのクラス(20t級)に搭載されるかと思われます。


新興国市場については、コスト面での制約や燃料(軽油)の品質などの事情があることから、排ガス規制はあまり進んでいないイメージを持っていました。

その中で今回の新エンジン発表ということで、新興国市場においても今後、排ガス規制の強化が進んでいくものと思われます。


その一方で今回の新機種は、前年(2017年)発表の欧州基準の適合機種[2]と比べると、仕様に明確な差があり、想定する市場によるニーズの違いも伺えます。

(今回の製品をはじめとして)新興国市場向けの建機用エンジンが、実用性と環境性能のバランスをどうとっていくのか、というのは、強く興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]中国市場向け大型ディーゼルエンジンを開発 〜後処理装置を簡素化し、中国市場に投入〜(クボタ社、2018/11/21)
https://www.kubota.co.jp/new/2018/18-26j.html
[2]産業用大型ディーゼルエンジンを新開発 〜当社最大クラスの200馬力帯で市場参入〜(同上、2017/3/6)
https://www.kubota.co.jp/new/2017/17-13j.html
[3]油圧ショベル一覧(コマツ)
http://www.komatsu-kenki.co.jp/products/excavator/

posted by 管理人 at 06:00 | エンジン

2018年11月29日

キャタピラージャパン社が、公式ウェブサイト「建機プロ.com」のクローズ予定を発表

2週間ほど前になりますが、キャタピラージャパン社が2018年11月15日に、

  • 公式ウェブサイト「建機プロ.com」をクローズする。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


クローズ予定日2018年11月30日
今後の予定 今後のキャタピラー社の最新情報・製品情報などの発表は、ウェブサイト「Cat.com」にて行う。


「建機プロ.com」の正式な運営期間は判りませんが、最古のニュースリリース(2014年3月26日)[2]からは、約4年と8ヶ月が経過しています。

同サイトは一般的な企業サイトと少し違って、顧客(建機ユーザー)向けにターゲットを絞っているのか、掲載情報やサイトの構成(業種別の製品紹介など)・デザインが見やすく、丁寧な配慮を感じていたので、今回の閉鎖決定は残念です。

昔の話ですが、確かキャタピラー社の日本サイトでは、まだブロードバンド回線が普及してない時期に、建機の生産工程の動画(画面サイズが小さく、画質も荒かったですが)を公開されていたと記憶しています。
(自動溶接の作業中と思われる、油圧ショベルの下部走行体がクルクル回転する動画を、見た覚えがある)

そのコンテンツも気付かないうちに無くなっていましたが、その動画にしろ今回の「建機プロ.com」にしろ、閲覧者にとって面白い・判りやすい、中身のあるウェブサイトが、そのまま建機メーカーの業績向上にはつながらない、ということであれば、複雑な思いがします。


※参照・参考資料:
[1]「建機プロ.com」Webサイト クローズのお知らせ(建機プロ.com、2018/11/15)
https://kenkipro.com/news/2018/11/98.html
[2]ニュースリリース一覧(建機プロ.com)
https://kenkipro.com/news/index_3.html

posted by 管理人 at 06:00 | メーカー:キャタピラージャパン

2018年11月07日

日立建機・コマツ・Catの2018年7-9月は、中国・米国に貿易戦争の影響なし、ただ中国での売上の伸び幅には縮小傾向

今回は、日立建機・コマツ・米Caterpillarの3社の最新の四半期業績[1]〜[3]から、中国米国に関する情報をまとめてみました。


<「北米」「中国」での売上高の前年同期比増減>

2018/4-62018/1-3の数値は、当ブログの過去記事から。
※Catは四半期単独の数値。
また中国単独の数値は無いため、Asia/Pacificの数値を記入しています。

北米中国
日立建機2018年4-6月18.5%増21.5%増
4-9月21.8%増17.9%増
コマツの
建設機械
・車両部門
2018年4-6月21.2%増31.9%増
4-9月16.8%増16.3%増
「North
America
「Asia/
Pacific
Catの
Construction
Industries
2018年1-3月37%増46%増
4-6月18%増43%増
7-9月22%増19%増
Catの
Resource
Industries
2018年1-3月33%増37%増
4-6月31%増47%増
7-9月46%増46%増

今回は、中国・米国間での「貿易戦争」が、両国の建機需要に果たして何らかの影響を及ぼしているのか?というのを探ろうと考えたものです。


まず「北米」での売上高の伸び幅の推移は、メーカーや製品によってバラついており、明確な傾向は掴めません。

そのため、北米最大の国である米国において、建機需要の縮小は生じていないものと考えます。


いっぽう「中国」は、日立建機・コマツのいずれも、2018年度1Q(4-6月)よりも2Q累計(4-9月)のほうが、伸び幅が小さくなっています。

またCatの「Asia/Pacific」も、鉱山機械(Resource Industries)は大幅な伸びが続いていますが、通常の建設機械(Construction Industries)は四半期が進むほどに伸び幅が縮小。

油圧ショベル需要(日立建機推計)の伸び幅の急減、KOMTRAXでの稼働時間の前年同月比マイナス続きという状況も合わせると、中国の建機需要においてはやはり、(前年同月比マイナスに転じるまでは行かないものの)伸びの勢いは失われつつあるようです。


<各市場に関する記述>

※日立建機は決算短信[1]に記述無し。

米国中国
コマツの
2018年4-9月
  • エネルギー関連
  • インフラ工事関連
を中心に、需要の好調が続いた。
需要の伸び率は、前年同期より鈍化している。
しかし、インフラ工事は全国的に堅調に推移している。
Caterpillarの
Construction Industries
の2018年7-9月
特に
  • 石油・ガス関連(パイプライン含む)
  • 非住宅の建設
向けで、新車需要が好調だった。
  • 非住宅の建設
  • インフラ活動
の増加により、低水準だったディーラー在庫が伸張。
それを含む中国での需要改善が、Asia/Pacific地域での売上増に最も影響した。


「貿易戦争」の影響については予想外にも、コマツ・Catともに全く記述が有りませんでした。

そのため、少なくとも9月以前においては、明確な(特筆するだけの)マイナス影響は生じていなかった模様です。

ただし先述の通り、中国での売上高の伸び幅が縮小していることは確かであり、貿易戦争(それによる経済の減速)による建機需要への影響が、全く無いとは言い切れないと考えます。

とりあえずはもう少しの間、米国市場・中国市場の今後の動向に、引き続き注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]平成31年3月期 第2四半期 決算短信〔IFRS基準〕(連結)(日立建機、2018/10/25)
https://www.hitachicm.com/global/wp-content/uploads/2018/10/20181025-HCM-Financial-JP.pdf
(※「https://www.hitachicm.com/global/jp/ir/library/results/」内。)
[2]019年3月期 第2四半期決算短信(コマツ、2018/10/29)
https://home.komatsu/jp/press/2018/acc/__icsFiles/afieldfile/2018/10/29/1810q1_j_1.pdf
(※「https://home.komatsu/jp/press/2018/acc/1200855_1595.html」内。)
[3]3Q 2018 Earnings Release(米Caterpillar社、2018/10/23)
https://www.caterpillar.com//content/dam/caterpillarDotCom/releases/3Q18%20Caterpillar%20Inc.%20Results.pdf
(※「https://www.caterpillar.com/en/news/corporate-press-releases/h/3q18-caterpillar-financials.html」内。)

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | 海外の需要動向

2018年11月06日

2018/7-9の建機出荷額は、国内向けのマイナスが継続、輸出は9月のみマイナス(台風の影響)も海外需要自体は堅調の模様

今回は、日本建設機械工業会が発表している「建設機械出荷金額統計」から、

  • 総合計(小計、国内向け、輸出)
  • 金額の上位4機種(トラクタ油圧ショベルミニショベル建設用クレーン
  • 補給部品
の各項目について、過去の数値と合わせて
  • 201710月〜20189
の12ヶ月間の数値を表にしてみました。

※2017/10-2018/6の数値は、当ブログの過去記事から引き継いでいます。
 2018/7-9の数値は、日本建設機械工業会の発表[1]〜[3]から抜き出しました。
※金額の単位は「」で、1億円未満を四捨五入しています。
※カッコ内は前年同月比の増減。


<総合計>

小計内訳
国内輸出
2017年 10月 2046億(21.4%)767億(5.7%)1279億(46.5%)
11月 2289億(26.6%)872億(4.2%)1417億(57.9%)
12月 2181億(19.2%)741億(8.8%)1439億(41.6%)
2018年1月 2036億(15.5%)672億(3.3%)1364億(27.6%)
2月 2180億(6.2%)744億(7.2%)1436億(14.8%)
3月 2813億(1.4%)1080億(19.8%)1733億(21.3%)
4月 2101億(10.4%)529億(14.0%)1573億(22.1%)
5月 2013億(11.3%)659億(2.8%)1354億(19.6%)
6月 2391億(10.1%)775億(8.3%)1616億(21.8%)
7月 2163億(5.7%)755億(11.4%)1408億(17.9%)
8月 2159億(14.3%)722億(14.9%)1436億(38.1%)
9月 2371億(8.4%)990億(11.5%)1381億(5.9%)

「国内」は今回も3ヶ月全てがマイナスであり、リース統計のほうと同様に、新排ガス規制導入(2017年10月〜)の影響が、まだまだ強いものと思われます。

いっぽう「輸出」は、台風21号による輸出延期の影響が出た[6]9月がマイナスとなったものの、その前の7・8月は好調さを維持。

「小計」も9月のみマイナスに転じており、出荷額の伸びが外需依存になっている現状が、良く伺えます。


<輸出の増加地域>

※「前年同月比増」の記述がある地域に、「○」をつけています。

アジア中国オセアニア 欧州北米中南米 CIS
その他
東欧
中近東アフリカ
2017年 10月
11月
12月
2018年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
アジア中国オセアニア 欧州北米中南米 CIS
その他
東欧
中近東アフリカ

大部分に○が付いた7・8月から一転して、9月は○が3地域だけまで減っていますが、日経新聞の記事[6]によると、これは台風21号による出荷遅れによるものとのこと。

海外需要の堅調さが変らないのであれば、次回(10月以降)の回復が期待できそうです。


「中国」「北米」は今回も伸びが続いており、少なくともこの表では、関税合戦の影響はまだ出ていません。

ただ中国については、油圧ショベル需要の伸び幅が急激に縮小しており、KOMTRAXでの稼働時間も前年同月比マイナスが継続中

コマツ社も「先行きの不透明さ」を挙げている[6]とのことで、政府が景気刺激を図っているとはいえ、今後の動向には注意する必要がありそうです。


<トラクタ>

小計内訳
国内輸出
2017年 10月 260億(13.6%)122億(11.7%)138億(52.2%)
11月 304億(17.0%)152億(11.6%)152億(73.0%)
12月 237億(5.0%)94億(23.4%)143億(38.8%)
2018年 1月198億(17.0%)61億(11.4%)137億(36.2%)
2月 207億(11.5%)70億(9.9%)137億(12.4%)
3月 291億(1.7%)101億(19.9%)190億(18.7%)
4月 217億(2.7%)51億(6.9%)166億(6.1%)
5月 211億(13.4%)66億(21.8%)144億(10.0%)
6月 243億(2.4%)75億(18.3%)169億(6.8%)
7月 202億(5.2%)72億(14.2%)130億(0.7%)
8月 218億(5.8%)67億(37.0%)151億(20.8%)
9月 246億(17.3%)105億(1.9%)141億(25.9%)

「国内」は、9月の減少幅がいきなり1ケタ%台まで縮小。

2017年9月の新排ガス規制導入時から続いてきた内需の減少が、約1年で終息するかどうか、次回(10月以降)に注目したいところです。

「輸出」は9月に大幅なマイナスに転じていますが、やはり台風21号による出荷延期の影響と推測します。


<油圧ショベル>

小計内訳
国内輸出
2017年 10月 723億(23.2%)205億(7.9%)519億(42.1%)
11月 803億(42.9%)221億(4.9%)582億(76.7%)
12月 813億(34.2%)197億(11.4%)616億(60.6%)
2018年 1月715億(5.9%)143億(29.7%)572億(21.2%)
2月785億(11.7%)156億(26.9%)629億(28.5%)
3月1022億(10.2%)255億(25.6%)767億(31.3%)
4月 811億(19.2%)127億(24.9%)684億(33.8%)
5月 736億(12.2%)172億(18.8%)564億(27.0%)
6月 907億(14.9%)219億(16.8%)688億(30.8%)
7月 745億(3.1%)203億(30.9%)542億(26.3%)
8月 796億(21.5%)181億(35.6%)615億(64.4%)
9月 853億(7.7%)268億(11.2%)585億(6.0%)

「国内」は、今回も3ヶ月連続のマイナス。

しかし9月の減少幅が(前項のトラクタほどではありませんが)縮小しており、やはり10月以降に改善に向かうかどうかが、気になるところです。

「輸出」はここでも9月のみマイナスであり、大型台風が及ぼした物流への影響の強さが伺えます。


<ミニショベル>

小計内訳
国内輸出
2017年 10月 257億(49.1%)81億(15.4%)176億(72.5%)
11月 250億(8.8%)82億(3.8%)168億(11.4%)
12月 269億(29.3%)76億(4.2%)193億(42.9%)
2018年 1月243億(16.1%)65億(11.4%)179億(18.0%)
2月 257億(8.3%)67億(5.6%)191億(9.3%)
3月 297億(9.1%)90億(0.1%)207億(13.6%)
4月 260億(12.4%)52億(21.9%)207億(10.2%)
5月 236億(14.7%)59億(15.7%)177億(14.4%)
6月 259億(8.3%)65億(7.1%)193億(14.8%)
7月 259億(9.2%)73億(6.3%)187億(10.3%)
8月 236億(2.7%)71億(14.3%)165億(1.5%)
9月 231億(6.6%)88億(0.6%)143億(9.9%)

「輸出」は8月・9月がマイナスとなっていますが、台風21号の影響と考えられる9月はともかく、その前の8月が減少となった理由は判りません。(台風21号の日本上陸は9月に入ってから[8])

ただ、海外需要が減速しているという話は全く聞かないので、10月以降にはプラスに転じるものと予想します。

「国内」は9月が微減ですが、北海道での地震[9]に伴う全域停電(それによる物流の停滞)も影響したのでは・・・と考えます。


<建設用クレーン>

小計内訳
国内輸出
2017年 10月 149億(6.3%)102億(9.1%)47億(0.3%)
11月 207億(14.5%)140億(1.0%)66億(71.4%)
12月 186億(7.6%)131億(10.0%)55億(1.3%)
2018年 1月224億(21.8%)169億(33.0%)55億(3.0%)
2月 247億(0.7%)176億(3.3%)71億(12.2%)
3月 378億(16.4%)309億(17.1%)68億(13.2%)
4月 146億(13.0%)88億(3.2%)58億(51.3%)
5月 179億(2.3%)119億(2.6%)60億(13.5%)
6月 228億(6.2%)158億(1.1%)70億(19.7%)
7月 230億(2.3%)151億(8.8%)78億(33.6%)
8月 226億(9.0%)157億(1.0%)69億(33.3%)
9月 290億(11.3%)225億(14.6%)65億(2.2%)

「輸出」は9月の伸び幅が小さいですが、これも台風21号の影響が出たものと推測します。

「国内」では9月が大幅マイナスとなりましたが、各種災害[7][8][9]の被害の大きさから、復旧・復興作業向けとして、今後は(直ちに10月から、では無いかもしれませんが)プラスに転じていくものと予想します。


<補給部品>

小計内訳
国内輸出
2017年 10月 281億(22.7%)100億(3.3%)181億(44.0%)
11月 287億(23.1%)99億(6.1%)188億(47.5%)
12月 264億(15.6%)97億(3.0%)166億(24.4%)
2018年 1月245億(12.1%)93億(3.3%)153億(18.1%)
2月 257億(2.7%)102億(0.7%)155億(4.1%)
3月 313億(9.4%)111億(9.8%)203億(23.8%)
4月 286億(14.2%)96億(5.2%)190億(19.4%)
5月 280億(9.2%)92億(2.1%)188億(15.8%)
6月 311億(3.4%)102億(5.3%)209億(8.3%)
7月 304億(7.6%)95億(1.6%)209億(12.4%)
8月 277億(9.7%)94億(0.8%)183億(16.0%)
9月 292億(3.2%)94億(9.1%)198億(10.2%)


「輸出」の堅調さは今回も変らず、海外での既存機械の稼動も、堅調が続いていると推測されます。

いっぽう「国内」は、今回は3ヶ月連続で前年同月比マイナス。

ただ、国内ではこの3ヶ月間に大規模災害が相次いだことから、今後は復旧・復興作業の進展に伴い、補給部品の需要も上向いていくものと予想します。


※参照・参考資料:
[1]2018年7月度建設機械出荷金額統計まとまる(日本建設機械工業会、2018/8/31)
http://www.cema.or.jp/general/news/20180831.html
[2]2018年8月度建設機械出荷金額統計まとまる(同上、2018/9/28)
http://www.cema.or.jp/general/news/20180928.html
[3]2018年9月度建設機械出荷金額統計まとまる(同上、2018/11/1)
http://www.cema.or.jp/general/news/20181101.html
[4]7月の建機出荷は21カ月連続増、鉱山機械伸びる(日本経済新聞、2018/8/30)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34769590Q8A830C1XA0000/
[5]8月の建設機械出荷額、22カ月連続増 鉱山向け好調(同上、2018/9/27)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO35817720X20C18A9X12000
[6]9月の建機出荷額8.4%減、台風で23カ月ぶりマイナス(同上、2018/10/31)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37164990R31C18A0X12000/
[7]平成30年7月豪雨(ウィキペディア)
[8]平成30年台風第21号(同上)
[9]北海道胆振東部地震(同上)

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2018年11月05日

2018/7-9の「土木建設機械」リースは件数・金額の全てが前年同月比マイナス、減少傾向が際立つ

今回は、リース事業協会発表の20187-9月分のリース統計[1]〜[3]から、「土木建設機械」の数字を抜き出し、過去のデータと合わせて直近12ヶ月分2017/10〜2018/9)の表を作ってみました。


<月毎の推移>

※カッコ内は前年同月比。
※2018/6以前の数字は、前回記事からの引き継ぎ。

取扱件数取扱金額
2017年
10月1143件(21.1%)136億1100万円(1.5%)
11月1490件(25.1%)157億5670万円(1.8%)
12月1367件(34.9%)141億2640万円(2.3%)
2018年1月852件(25.0%)82億2170万円(21.9%)
2月840件(30.6%)81億5850万円(16.3%)
3月2032件(40.9%)167億7140万円(10.3%)
4月833件(5.0%)94億2750万円(10.7%)
5月726件(15.9%)79億9150万円(5.4%)
6月971件(5.0%)79億200万円(14.4%)
7月999件(14.2%)92億1250万円(21.8%)
8月996件(8.9%)92億6070万円(9.0%)
9月1239件(18.6%)124億4910万円(25.9%)

前回(4-6月分)は前年同月比増減が半々でしたが、今回(7-9月)は見事に全項目が減少。

ごく一部の地域(東京都心部)では、東京五輪を2年後に控えて建機需要も活性化している筈ですが、それも日本全体での需要不振を補うには到底及ばない水準のようです。


ちなみに今回の3ヶ月間には、豪雨[4]・台風[5]・地震(それに伴う全域停電)[6]といった大規模災害が立て続けに起こっており、それらが建機の供給と需要にマイナスに働いた可能性もあるのでは・・・と考えました。

しかし建機出荷額に関する日経新聞の記事[7]〜[9]では、そのような記述は全く無いので、7-9月の土木建機リースにおいても、特に目立った影響は無かったものと思われます。



<過去年の9月と比較>

※カッコ内は前年同月比。
2017年以前の数字は、当ブログの過去記事からの引継ぎ。

件数金額
2007年9月2121件(48.4%)201億660万円(10.3%)
2008年2205件(4.0%)199億990万円(1.0%)
2009年1357件(38.5%)82億3110万円(58.7%)
2010年1055件(22.3%)104億6290万円(27.1%)
2011年1413件(33.9%)130億4710万円(24.7%)
2012年1557件(10.2%)146億6310万円(12.4%)
2013年1958件(25.8%) 167億7820万円(14.4%)
2014年1675件(14.5%)103億8090万円(7.3%)
2015年1722件(2.8%)147億340万円(1.0%)
2016年1318件(23.5%)142億9730万円(2.8%)
2017年1523件(15.6%)168億30万円(17.5%)
2018年1239件(18.6%)124億4910万円(25.9%)

9月だけを見ると、過去12年の中で今年(2018年)は、件数が2番目の低さ。(1位は2010年)

金額のほうも、2009年・2014年・2010年に次いで下から4番目となっており、国内建機需要の伸び悩みが伺えます。


また「前年同月比」で見ると、2018年はリーマンショック翌年(2009年)以来の、件数・金額ともに2ケタ減であり、急下降振りが際立ちます。

この点は、国内建機需要自体の下降傾向に加えて、2017年9月の新排ガス規制導入による影響(駆け込み需要による急な伸びと、その後の反動減)が、重なった結果と考えます。


過去年度の上半期(4-9月)と比較

※カッコ内は前年同期比。
2017年以前の数字は、当ブログ過去記事からの引継ぎ。

件数金額
2007年4-9月8306件(23.4%)832億8060万円(12.1%)
2008年8986件(8.2%)833億1330万円(0.0%)
2009年9086件(1.1%)495億5300万円(40.5%)
2010年4783件(47.4%)405億7360万円(18.1%)
2011年5544件(15.9%)497億9200万円(22.7%)
2012年7290件(31.5%)650億9330万円(30.7%)
2013年7954件(9.1%) 749億1540万円(15.1%)
2014年6968件(12.4%)601億6860万円(19.7%)
2015年6276件(9.9%)557億5560万円(7.3%)
2016年4963件(20.9%)565億6660万円(1.5%)
2017年6362件(28.2%)649億5790万円(14.8%)
2018年5764件(9.4%)562億4330万円(13.4%)


上半期の合計でも、前年度(2017年度)が駆け込み需要で膨らんだ分、2018年度の減少が際立って感じられます。

もっとも件数・金額の数値自体が、2012〜2016年と比べると下降気味であり、9月単月と同じく、やはり国内建機需要の頭打ちを感じざるを得ません。

現政権が誇るアベノミクスも、開始から既に約6年が経過していますが、それでこの状況ということで、政策による改善はもはや望めないようにも思われます。


※参照・参考資料:
[1]リース統計 (2018年7月)(リース事業協会、2018/8/28)
http://www.leasing.or.jp/statistics/docs/2018_07.pdf
(※「http://www.leasing.or.jp/statistics/toukei.html」内、[2][3]も同じ)
[2]リース統計 (2018年8月)(同上、2018/9/28)
http://www.leasing.or.jp/statistics/docs/2018_08.pdf
[3]リース統計 (2018年度上期)(同上、2018/10/29)
http://www.leasing.or.jp/statistics/docs/2018_09.pdf
[4]平成30年7月豪雨(ウィキペディア)
[5]平成30年台風第21号(同上)
[6]北海道胆振東部地震(同上)
[7]7月の建機出荷は21カ月連続増、鉱山機械伸びる(日本経済新聞、2018/8/30)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34769590Q8A830C1XA0000/
[8]8月の建設機械出荷額、22カ月連続増 鉱山向け好調(同上、2018/9/27)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO35817720X20C18A9X12000
[9]9月の建機出荷額8.4%減、台風で23カ月ぶりマイナス(同上、2018/10/31)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37164990R31C18A0X12000/

posted by 管理人 at 06:00 | リース統計

2018年10月17日

2018/7-9の日立建機「中国月次 油圧ショベル需要データ」は伸び率が右肩下がり、「KOMTRAX月次データ」でも稼働時間のマイナス幅がジワッと拡大

日立建機が2018年10月12日に、「中国月次 油圧ショベル需要データ(速報)」(2018/9分まで)を更新していました[1]。

今回もまた、コマツ発表の「KOMTRAX月次データ」[2](同じく2018/9分まで)と合わせて、2018/7-9の中国建機市場の現状に思いを馳せることにします。


<中国での油圧ショベル需要の前年同月比>

2014年2015年2016年2017年2018年
1月37%34%48%181%
2月80%46%286%22%
3月51%10%70%66%
4月47%34%142%72%
5月48%5%116%55%
6月31%54%15%139%32%
7月31%52%26%115%20%
8月30%51%62%101%9%
9月38%49%86%93%6%
10月43%43%76%78%
11月46%36%86%121%
12月44%37%85%97%

※数値は

  • 日立建機による、中国での油圧ショベル需要の推定値。
  • 台数ベースでの前年同月比。
  • 中国国産メーカーを除く(=外資系メーカーのみ)。

※[1]に掲載されていない月(2017/9以前)については、前回の記事(2018/6分まで)から引き継いでいます。


<KOMTRAXでの稼働時間の前年同月比>

2016年2017年2018年
1月14.4%24.8%46.2%
2月3.2%83.3%48.9%
3月29.4%5.6%12.5%
4月1.4%13.8%2.8%
5月6.1%7.3%2.5%
6月10.4%3.3%2.2%
7月5.8%5.6%6.4%
8月10.5%2.5%0.3%
9月12.2%2.4%4.6%
10月2.2%0.3%
11月17.1%8.4%
12月8.8%2.5%

※数値は、

  • 中国におけるコマツ製建機(※ミニ建機、鉱山機械は除く)の、1台あたり月間平均稼働時間
の前年同月比。
※発表[2]に掲載されていない数値(2017/6以前)については、こちらも当ブログの前回記事から引き継いでいます。



油圧ショベル需要は、前回の3ヶ月(2018/4-6)から伸び幅が更に縮小しており、このぶんだと次回にはとうとう、マイナスに転じそうな雰囲気です。

またKOMTRAXでの稼働時間も、(8月を除いて)減少幅がジワッと拡大しています。

3ヶ月前の時点ではまだ不明瞭でしたが、今回のデータからは、新車需要と既存機械の稼動率ともに減少のトレンドになっていることを、よりはっきりと感じます。

建機メーカーの2018年7-9月期業績がまだ発表になってないので、中国建機市場に具体的に何が起こっているのかは判りません。

ただ、(インフラ整備を支える)建設機械の動向が景気の動向と深く関係しているのであれば、やはり中国・米国間の「貿易戦争」が、中国国内の経済に確実に響いていることを、今回のデータは示しているのではないでしょうか。

KOMTRAXの「北米」の数値も芳しいとは言えず、2016年11月にプラスに転じて以来現在まで続いている海外建機需要の好調も、いよいよ減速に転じる可能性が高まっているのでは、と考えます。

と言っても今回の場合は、ほとんど「人災」のような気もしますが。


※参照・参考資料:
[1]中国月次 油圧ショベル需要データ(速報)(日立建機)
https://www.hitachicm.com/global/jp/ir/financial/cn_monthlydata/
[2]KOMTRAX月次データ(〜2018年9月)(コマツ社)
https://home.komatsu/jp/ir/demand-orders/__icsFiles/afieldfile/2018/10/11/201809komtrax_J.pdf
(※「https://home.komatsu/jp/ir/demand-orders/」内。)

posted by 管理人 at 06:00 | 海外の需要動向

2018年10月08日

日立建機が日本国内の開発・生産拠点の再編計画を発表、「コンストラクション」「マイニング」「コンポーネント」「コンパクト」と機能別に再編

日立建機2018年9月27日に、

  • 日本国内開発・生産拠点の大幅な再編計画
を発表していました[1]。

その主な内容は次の通り。


<背景・目的>

  • 建設機械業界は世界的に、中長期的な成長が続くと予想される。
    その中で
    • 顧客の要望の高まり(安全性、生産性など)に応えるための、最先端技術(環境性能、自動運転など)の更なる開発推進
    • グローバル規模での競争激化に対応するための、生産体制の最適化
    が必要・急務となっている。
  • その中で日立建機は既に、国内・海外で事業改革を進めている。
    今回は、
    • ホイールローダの子会社「KCM」
    • ミニショベルの子会社「日立建機ティエラ」
    を含めた、抜本的に最適な開発・生産体制の検討結果として、
    • 主要な開発リソースの集約
    • 主要な生産拠点の再編
    を、正式に決定した。

<各拠点の担当の変化>

※資料[1]の2〜3pを参考とした。

拠点再編前再編後(2022年時点)
土浦工場 開発
  • 油圧ショベル(ミニ以外)
  • ダンプトラック
  • コンポーネント
    (最重要部品の油圧機器、ドライブユニット)
  • コンストラクション
    (一般建設工事向け)
  • マイニング
の開発拠点となる。該当製品は
  • 超大型・中大型油圧ショベル
  • 超大型・中大型ホイールローダ
  • ダンプトラック
  • 油圧ショベル・ホイールローダ用
    コンポーネント、主要部品
生産
  • 中型油圧ショベル
  • 大型油圧ショベル
コンストラクション」の完成品
  • 中型ホイールローダ
  • 中型油圧ショベル
常陸那珂臨港工場 生産
  • 超大型油圧ショベル
  • ダンプトラック
マイニング」の完成品
  • 超大型油圧ショベル
  • ダンプトラック
  • 超大型ホイールローダ
  • 大型油圧ショベル
常陸那珂工場、
霞ヶ浦工場
生産 下記製品用のコンポーネント。
  • 油圧ショベル
  • 中型ホイールローダ
  • ダンプトラック
  • 「コンストラクション」
  • 「マイニング」
向けの「コンポーネント」工場となる。
生産品は左に同じ。
播州工場(現KCM) 開発
  • 超大型・中大型ホイールローダ
  • 大型ホイールローダ用コンポーネント
生産
  • 超大型ホイールローダ
  • 中大型ホイールローダ
  • 大型ホイールローダ用コンポーネント
コンパクト」(ミニショベル、ミニホイールローダ等)などの主要部品(製缶品、キャブ等)。
  • ミニショベル用
  • ミニ〜超大型ホイールローダ用
龍ヶ崎工場(現KCM) 開発
  • 中大型ホイールローダ
  • ミニホイールローダ
生産
  • 中大型ホイールローダ
  • ミニホイールローダ
コンストラクション」の主要部品
(油圧機器、製缶品など)
滋賀工場
(日立建機ティエラ)
開発
  • ミニショベル
コンパクト」の開発拠点となる。
  • ミニショベル
  • ミニホイールローダ
  • 主要部品
生産
  • ミニショベル
コンパクト」の完成品
  • ミニショベル
  • ミニホイールローダ
大阪工場
(日立建機ティエラ)
生産
  • ミニショベル用の主要部品
左に同じ。
拠点再編前再編後(2022年時点)

※再編後の機能別の担当は、

機能担当拠点
「コンストラクション」開発土浦工場
生産
  • 完成品:土浦工場
  • 主要部品:龍ケ崎工場
「マイニング」開発土浦工場
生産常陸那珂臨港工場
「コンポーネント」開発土浦工場
生産霞ヶ浦工場、常陸那珂工場
「コンパクト」
(ミニショベル、
ミニホイールローダ等)
開発滋賀工場
生産
  • 完成品:滋賀工場
  • 主要部品:播州工場、大阪工場

<スケジュール等>

  • スケジュール予定:
    • 2019年4月KCMを日立建機に吸収合併する。
    • 2022年まで:開発・生産の機能別再編を完了する。
  • 関連投資:420億円ほどの見込み。


変更前は各拠点の担当が「機種別・製品別」になっているのが、変更後は一転して製品の「機能別・用途別」にまとめられており、これは確かにかなり大きな変化だと感じます。

タダノ社と合弁事業を行う予定である印・Escorts社のウェブサイトで、製品紹介が

  • 「Material Handling Equipment」(クレーン、フォークリフト)
  • 「Earthmoving Equipment」(油圧ショベル等)
  • 「Escorts Construction Equipment」(道路工事用のロードローラー)
と用途別にカテゴリ分けされているのを思い出しましたが、大手メーカーである日立建機の今回の発表を見ると、このようなユーザー側に立った分類が、これからは建機産業の合理化において広く浸透していくのでは、と考えさせられます。

また、資料[2]の14pのマップを見ると、

  • 関東:「コンストラクション」「マイニング」「コンポーネント」
  • 関西:「コンパクト」
と、ロケーションの点でも機能別の分類が鮮明になっており、これも事業の効率化に大きく寄与しそうです。


その一方で、KCM社は日立建機に吸収合併されるとのことですが、ホイールローダの「KCM」ブランドの扱いについては記載がありません。

ただ[2]の8pでは、2018年に「北米でKCMから「HITACHI」ブランドに切り替える」との記述があるので、今後は完全に消滅する可能性もありそうです。

川崎重工業から続いてきたブランドが消えるとすれば、時代の流れとはいえ、個人的には少し寂しさがあります。


※参照・参考資料:
[1](訂正後)グローバル競争力の強化のために国内主要 開発・ 生産拠点を大幅再編(日立建機、2018/9/27)
https://www.hitachicm.com/global/wp-content/uploads/2018/09/20180927-HCM-Notice-Major-Domestic-Restructure-JP-2.pdf
(※https://www.hitachicm.com/global/jp/ir/library/results/内。)
[2]国内の事業構造改革について(同上)
https://www.hitachicm.com/global/wp-content/uploads/2018/09/20180927-HCM-Major-Domestic-Restructure-JP-Rev..pdf
(※同上。)

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | メーカー:日立建機

2018年10月03日

John Deere社と独「Wacker Neuson」社が、アジア・太平洋地域向けのミニショベル・小型ショベルのOEM協力で合意、Wacker Neusonが同市場向けに開発した製品を供給

3週間以上前になりますが、John Deere社と独「Wacker Neuson」社が2018年9月10日に、

  • アジア・太平洋地域向けのミニショベル・小型ショベルを、Wacker Neuson社がJohn Deere社にOEM供給することで、両社が合意した。
と発表していました[1][2]。

その概要は次の通り。


<提携の内容>

対象の製品 1.7〜7.5tの小型ショベル・ミニショベルの4機種。
※Wacker Neuson社が、アジア太平洋市場の需要に応じて特別に開発した製品。
対象地域 中国、東南アジア、オセアニア
供給元 Wacker Neuson社の中国・Pinghu工場で、主に製造する。
※同工場は2018年1月に、ミニショベルの製造を開始している。
供給開始の時期 2019年始めからの予定。
販売の体制 John Deere社のディーラーネットワークで、「Deere」ブランドで販売する。
※Wacker Neuson社も同じ地域で、自社ブランドでの自社製品の販売を続ける予定。
契約期間 今回の契約は5年間
その後も、5年ごとに更新できる。

<背景・目的>

  • Wacker Neusonは、
    • 50以上の系列会社
    • 140の販売・サービスステーション
    を持つ、軽量・コンパクト機器の国際的な企業グループである。
  • 同社は既に、数十年前にアジア太平洋地域で小型機械事業に参入しており、現地市場に精通している。
    2013年には、中国へのミニショベルの輸出を開始した。(※豪州・Linz工場から輸出)
  • 同社のアジア太平洋地域での売上高は、2017年にはグループ全体(15億3000万ユーロ)の約3%を占めた。
    「Strategy 2022」ロードマップでは、開発する主要市場として同地域を位置づけている。
    Pinghu工場の建設は、その成長計画における重要なステップだった。
  • John Deere社とWacker Neuson社は、農業機器では既に
    • 欧州
    • 独立国家共同体
    • 北アフリカ
    • 中東
    でパートナーシップを結んでいる。
  • 今回の提携の目的は、アジア太平洋地域で長期的に協力し、ミニショベル・小型ショベル市場で両社が地位を強化することである。
    またWacker Neuson社にとっては、中国・Pinghu工場の稼働率の大幅アップが期待できる。


OEM供給される4機種がどのようなものなのかは、今回の発表にはアジア太平洋市場向けに開発されたということしか書かれておらず、詳細は不明です。

ただ、機械の質量の数値(1.7〜7.5t)から、Wacker Neuson社のアジア向けサイトに掲載されている「Tracked Zero Tail Excavators」[3]の中の機種が、該当するものと推測します。


それらの写真を一見すると、上部旋回体後部の張り出しが極めて少ない点や、キャブの視界が広く確保されている点など、日本で良く見るタイプのミニショベルとは、また違う印象です。

特に興味深い点として、上部旋回体が下部走行体に対して角度を変えられる機能を、機種によっては備えているようです。(例えば[4][5])

これは、足場が水平でない場所でも、上部旋回体を水平に保っての作業を実現するためのものと見受けられますが、私はこのような機能は初めて見ました。

このような独創性も、John Deere社がWacker Neuson社を選んだ理由の一つなのでは、と想像します。


John Deere社は中型以上の油圧ショベルにおいては、日立建機との合弁事業が5月に30周年を迎えており、堅実さ・手堅さが感じられます。

その一方で、小型ショベル・ミニショベルにおいては今回、ユニークな製品を手がけるWacker Neuson社と提携するというのは、ちょうど対照的だと感じます。

この点が、John Deere社の建機事業にどのような影響・効果をもたらすことになるのか、というのは興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]John Deere and Wacker Neuson Enter Into Strategic Supplier Agreement for Compact Excavators (John Deere社、2018/9/10)
https://www.deere.com/en/our-company/news-and-announcements/news-releases/2018/construction/2018sept10-wacker-neuson-agreement/
[2]Wacker Neuson agrees OEM cooperation for mini and compact excavators with John Deere(Wacker Neuson社、2018/9/10)
http://wackerneusongroup.com/en/news-media/press-wacker-neuson/news/wacker-neuson-agrees-oem-cooperation-for-mini-and-compact-excavators-with-john-deere/
[3]Tracked Zero Tail Excavators(Wacker Neuson社)
http://www.wackerneuson.asia/en/products/excavators/tracked-zero-tail-excavators/
[4]EZ53(同上)
http://www.wackerneuson.asia/en/products/excavators/tracked-zero-tail-excavators/model/ez53-3/
[4]EZ28(同上)
http://www.wackerneuson.asia/en/products/excavators/tracked-zero-tail-excavators/model/ez28-2/

posted by 管理人 at 06:00 | 海外メーカー:ディーア(米)